報連相のポイント
◇ワンポイントクイズ◇
Q: 上司に資料作成を報告する場合、一番印象のいい伝え方は?
- 「とりあえず、この資料作っておきます」
- 「まず、この資料作っておきます」
- 「取り急ぎ、この資料作っておきます」
【正解】 2
「とりあえず」ではなく、「まず」と言う。
Contents
自信があるようにふるまえ
組織で仕事をするときに、重要なのが報告・連絡・相談(ホウレンソウ)です。言い訳は逆効果
あなたは、ホウレンソウをする前に、- 「すみません、まだ準備不足ですが」
- 「すみません、まだ準備不足ですが」
実はこれは、確実に逆効果です。
無意識に使っていたならば、今すぐやめるべきでしょう。
プライミング効果
これは、人間が持っている【先入観】によるものです。心理学ではこれを【プライミング(Priming:呼び水)効果】といいます。
このプライミング効果についての有名なのは、「効く」と聞かされて薬を飲んだ場合と、何も聞かされずに飲んだ場合との効果の違いに関する実験があります。
ビジネスでも一緒なのです。
最初に自信があるという暗示をかけることで、相手からはポジティブな反応が返ってきます。
あえて自信満々にふるまうことで、相手の反応をポジティブなものにして、自分自身の追い風にすることもできるでしょう。
ポジティブな暗示
自分からわざわざ逆風を作り出し、無用な労力・時間を生むような愚はあえて冒さないことです。ホウレンソウをするときは、相手にポジティブな暗示をかけるように習慣づけるといいです。
聞かれたことに答える
一番聞きたい事を最初に
ホウレンソウでは、質問が返ってくることもあります。例えば、「〇〇さんにアポは取れたの?」という質問をされたら、あなたはどう答えていますか?
このとき「〇〇さん、出張でいないんですよ」などと、理由や背景から返事をしてしまう人が多いのではないでしょうか。
そんな時、質問者はこう考えている事でしょう。
「要するに、アポは取れたのか、取れなかったのか、どうなんだ!早く教えてくれ!」と。
このケースでは、質問者が一番聞きたい事、つまり「アポが取れたかどうか」を最初に答えるのです。
その後、必要に応じて周辺情報を話すようにするといいです。
つまり、「はい、取れました」「いいえ、取れませんでした」から答えるのです。
場合によっては、「いいえ、取れませんでした」という答えを受けた上司が、「そうか、じゃあ〇〇さんへは私から話そう」と、別の判断をされるかもしれません。
判断をしなければならない人にとっては、あなたが提供する周辺情報は雑音でしかないです。
1W5HもYes/Noも同じ
こんな場合もあります。「何が言いたいんだ?」とか、「どうして遅れたんだ?」といった、詰問調の質問に対して、「すみません」と返してしまう人も多いでしょう。
これも、経験的にいって~火に水を注ぐ~ことになりかねません。
1W5Hの質問も、Yes/Noで答える質問も、相手が一番聞きたい事を最初に答えるのがルールです。
対面での「3分ください」を口癖に
メールより対面
ホウレンソウもメールでというのが一般化しています。しかし、対面だと「あっ、そういえば」と、本題以外の情報伝達もしやすく、更には『信頼』につながる副次効果もあるのです。
私は、「メール」の前に必ず「対面」⇒「電話」の順で、他の手段が取れないかを考えます。
これは、伝えられる情報量と、レスポンスの速さから、最短でホウレンソウできるのがこの順序だと思うのです。
「1分(あるいは3分)ください」
ホウレンソウの時、上司が机に向かって執務中であったら、どうしますか?「ちょっと、今いいですか?」と言ってしまうと、返ってくるのは「あ、ごめん、後にして」、「今はだめ」といった言葉です。
これでは、たった数分で解決できる案件も後回しになり、仕事が滞ってしまいます。
これを、避けるためのいい方法があります。
それは、「1分(あるいは3分)ください」と言うのです。
これを言えると上司は必要な時間が分かるから、圧倒的にあなたの申し出を受け入れやすい態勢が整うのです。
こんなちょっとした工夫が、職場では大きな差を生むことでしょう。
エレベーターブリーフィングの実践
エレベーターブリーフィング
エレベーターブリーフィングは、1分間(3分間)のホウレンソウの練習に最適です。これは、唯一フリーになる移動のタイミングを狙って、エレベーターホールで多忙な上司を捕まえます。
そこで、目的の階で降りるまでの1分間(3分間)で、必要な承認を得たり、責任が伴う判断を仰いだりするのです。
3分間の構成
- 趣旨を伝える
- 選択肢を伝える
- 判断のポイントを伝える
- 結論を伝える
- 確認とアクションの確認をする
その間、相手には「うん」「うん」と頷いているだけでいい状況にするのが理想です。
ホウレンソウは、必要なときに必要なことをしっかりおさえることが大切です。
上司のスキマ時間を利用して、自分の仕事を片付けておくことが、回りまわって上司のためにもなるのです。
必要以上の遠慮は不要です。
「とりあえず」ではなく「まず」と言ってみる
一言言い換えると次も変わる
これは、私が社会人になって、先輩に教わったことです。『とりあえず』ではなく『まず』と言え!
それまでの私は、「じゃあ、とりあえず、この資料作っときます」と言うのが、私の口癖だったようです。
その先輩に言われた言葉は、「お前の仕事は、『とりあえず』のやっつけ仕事か?」と。
当時、生意気だった私は、「違いますよ。じゃあ、なんて言えばいいんですか?」って返してしまったのです。
すると、先輩は言いました。
「『まず』と言い換えてみろ。そしたら『次に』という言葉が続くはずだ」と。
なるほど!と思いました。
それ以降、私は意識的に「まず」と言い換えるようにしました。
これが自分の言葉になってくると、不思議に行動も伴って、『まず』『次に』と、常に先のステップを意識するようになったのです。
ぜひ、あなたも一度見直してみませんか?
他にも、『取り急ぎ』や『適当に』など、普段何気なく発している言葉にも、使い方に気を付けた方がいいものは、多くあります。
言霊(ことだま)
日本には、「言霊(ことだま)」という言葉があります。これは、言葉は相手に与える印象だけでなく、自分の行動にも影響を及ぼすことです。
このように、言葉に注意することで、相手に与える印象も結果も、全然変わってきます。